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[ 発信所 ]

好きな作品を発信していきたいブログ

仲間の在り方 -『この異世界で一番美しいものを探す旅』

小説家になろう


なろう備忘録第28弾。

あらすじ:
異世界で一番美しいものを見つければ、この世界は諦める。
崩壊寸前の地球にて、それを起こした恐怖の怪物は気まぐれから主人公アオにそう約束した。それをきっかけに、魔法や精霊が存在する異世界に召喚されてしまう。
ひねくれもものアオは、これまでの人生のイタいトラウマを活かしつつ、異世界中を探しまわることになります。


大筋はスタンダートな異世界転生モノ。

カードを唱えて魔法を使う設定が物珍しい。この作品の特筆すべきところは常にパーティで行動しているところだろうか。離れ離れになる展開もかなりあるが、基本的には4人パーティでひとまとまり。結局最後まで4人パーティで仲間を固定していたのは個人的にとても好印象だった。

で、この彼ら4人パーティの在り方みたいなのがとても好きで。よくある異世界転生モノでの主人公の仲間の在り方ってこんな感じだと思うんです。

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なんというか、主人公ありきで成り立っている関係とでもいいましょうか。こういうタイプの作品が需要あるのも分かりますし、実際に私もよく読みます。
そして、この作品の4人パーティの関係性はこう。

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こういうタイプの関係性が好きすぎる。4人全員が主人公というか、パーティそのものが主人公というか...。アニメでいうと『氷菓』『灰と幻想のグリムガル』の登場人物たちが該当するだろうか。ハーレム系の作品でも、ヒロイン同士の仲が良い作品が好きだったり。サブキャラ同士がくっつく展開とかもとても好きなんですけど、なろうではそういうのは受けないっぽいのが残念。

随分脱線してしまいましたが、とにかく良い作品でした。是非是非。

【一覧】なろう読書録 - [ 発信所 ]

『響け!ユーフォニアム』感想

アニメ

 

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久々に見返した。いやー、何回みても良いです。

折角なので2年前くらいにメモ帳に雑記してあった4000文字くらいの感想を引っ張りだしてみた。色々暴走気味でお恥ずかしいですが…。▼マークは引用文っぽい。

 


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2015/7/1

響けを見れて、この1クール"幸せ"だった・・・。
空前絶後の大傑作。琴線に触れる箇所が多すぎて多すぎて。
というわけで思い入れも大きいので割りと本腰入れて書いていきたいと思う。

トーリーは弱小吹奏楽部が奮闘して全国大会出場を目指すという至って普通の王道的なもの。おそらく、京アニ以外の会社が作ってたら凡な作品になっていたと思う。そして京アニの"上手さ"が際立つ作品だなと改めて感じた。

原作が一般小説ということで、内容は様々な人間模様が描かれていてしっかり詰っている。最新話を見るたびに「ああこの話が今までで一番好きだ」なんて言ってしまうほどに加速度的に面白くなっていった。

▼:傍観者視点で視聴者に近い立場に居た主人公がラス前1話で傍観者の殻を脱ぎ捨てて真の主人公に成り代わるっていうストーリー構成が本当に綺麗だった。1話からのロングパスも全部12話で見事に回収。

 



ライトノベルにありがちな突飛な設定もなく、等身大なキャラクターたちが織り成す物語はついつい感情移入してしまう。原作者が大学生さんなこともあって、なんというか思春期特有の人間関係というか思想というかがリアル。そのおかげでこういう団体競技の苦悩や喜びみたいなものがスッと心の中に入ってくる。ああ、これは楽しそうだと。こういう主人公と同じ目線で見れるアニメって早々無い。

▼:派手さはないけど、10代特有の空気感が上手に表現されてる。本人たちでは言葉にできない不定愁訴みたいな心の動きを丁寧に拾ってるのが好きだ。

それでいて、ちゃんとアニメ風に絶妙なアレンジや改変を加えてあるところは流石の一言。数話アニオリが挟まれてましたが、どれも作品の出来を相乗させるものだったのが凄いですよね。

「夏紀先輩のキャラ・髪型変更」「最初は久美子に"高坂さん"と呼ばせる」あたりは本当に良改変だったと思う。前者は言うまでもなく、4話のアンニュイな雰囲気にノックアウトされた視聴者は数知れぬ。後者がまた面白くて、良い具合に序々に仲が深まる感じを助長してます。この"止まっていた時間が動き始める感"です。対すると夏紀は"一からだんだんと加速していく物語感"かな。最初に比べたら随分変わったよなあ。


 ▼:黄前久美子の「れーな」呼び、ただ単に名前を呼んでいる以上の高坂麗奈に対する諸々の甘ったるい感情がこれでもかと篭められているのが存分に伝わってくるし最高すぎる。

こういう微百合要素も楽しめるところが私的には滅茶苦茶琴線に触れました。おまけ要素としての百合って感じが丁度良いです。久美子と麗奈の間にあるのは百合的感情のように見えるが、その実存在するのは絆というか友情というか"特別なもの"であって、この上手く言い表せれない関係性がもう最高に素敵です。

▼:孤立してた麗奈が葉月や緑輝と仲良くなって一緒にご飯食べるような慣れ合いアニメだったら見てないわ。久美子が悪友に引かれて道を外していくからこそこのアニメは面白い。


そして恋愛要素。まあ秀一と久美子、最高。幼馴染特有の近すぎる距離感が辛抱堪りまらない。願わくばもっと軽口叩き合ってほしい。久美子の秀一へのデレの破壊力は絶対にヤバい(確信)。「久美子ラブストーリー」を作ってくれ・・・。1話から進展を待ち望んでいたんですが今期ではテーマでは無かった模様。途中の百合的展開もウェルカムなんだけども。

と思ってたら最終回でやってくれました。いやあ、最高、とても良かった・・・。そう、そういうほんの少しの恋愛要素で良いんだよ・・・。やっぱり京アニさんは"分かってる"。拳を差し出してるのに気づいてもらえない久美子が可愛すぎて爆発した。やっぱり久秀がナンバーワン!ツン9デレ1くらいのデレが一番破壊力高いことを痛感する。

まあちゃっかり久麗要素も入れてきました。今作、"百合と恋愛"について悪く言えばどっちつかずとも言えるが、個人的には恋愛要素も百合要素も丁度良い塩梅で楽しめました。"たまこま"と比べると段違いに良くなったと感じた。



続いてキャラクターについて。

こういう登場人物が多いアニメは指数関数的に面白くなるの法則。例に漏れず8話あたりから爆発しました。さっきも述べたけどこの作品、登場人物全員が現実的で等身大で、アニメ的な感じが無い。まあ原作が一般小説なのが遠因なのだろうが。そしてこれが顕著に現れているのが主人公の久美子であろう。明らかに他の作品のキャラクターにはない魅力がある。なんだろう、劇中で散々「性格悪い」云々言われてるんだけど、何故だかどうしようもなく愛おしい。

▼:主人公ちゃん、若干黒いけど、嘘はつけない感じいいなぁ。

格好良いところや、可愛いところもあるキャラクターは沢山いますが(最近だと「SHIROBAKO」のみゃーもり・エリカ先輩とか)こういう「マイナスな面」をも魅力に変えてしまう登場人物は良いキャラが多いと思う。これと真逆のキャラクターが「ダンまち」のベルくんで、彼はその聖人君子っぷりが疎まれていたりする。

まあ何はともあれ、久美子のどこにでもいそうで限りなくリアルに近い感じが狂おしいほど好きなんだよなあ。秀一とか、気を置く相手には声のトーンを露骨に変えるとことかが最高すぎるんですよね。最高すぎる。久美子の3大可愛いシーンは最終的に「ご静聴ありがとうございました」「電車で大あくび」「とびけらやだー」でした。

勿論久美子の他にも夏紀先輩・部長・麗奈etc...と好きなキャラクターばかりなんですけど流石に時間が無いので割愛。



続いて作画・演出面について。緻密な作画はさながら芸術品のようであった。
まあここは流石京都アニメーション。作画レベルで右に出る制作会社は今のところ皆無ですね。

▼:画面が感動するほど綺麗だった。

実は京アニ作品を真剣に見たのが久しぶりだったのもあって、1話見たときにはたまげました。桁が違いすぎて。ただ単に画が綺麗というだけではなくて画面の効果の入れ方、構図のとり方、感情芝居、どれをとっても一級品なところが凄い。あと今作ではデフォ絵が割りと多くて少し意外に思いました。京アニがこういう崩した絵を描くのは初めてみるかもしれない。

▼:キャラデザや止め絵が可愛いアニメはいっぱいあるけど動きや仕草が可愛いアニメとなると希少。キャラの何気ない動作がいちいち丁寧で感心するわ。やっぱこの領域で京アニは他の追随を許してないな。

 


 

続いてサウンド・音響面について。
まあなんといってもこの作品の魅力は「音」だろう。様々な「音」がこの作品の魅力を底上げしている。

第一に演奏。吹奏楽を題材にした作品なのでまあ音に凝ってもらわないと困るんだけど、正直十分脱帽でした。「きらきら星」「ライディーン」「愛を見つけた場所」「三日月の舞」と、劇中歌をこれでもかというくらい入れてきます。それでいてどれも素晴らしい。特に「三日月の舞」は練習シーンとかで断片的に耳に入れてるので、全部が繋がったらと思うと楽しみが隠し切れなかった。

そしてなんといっても今作の演奏シーンといえば第2回ソロオーディション選抜の麗奈と中瀬古。トランペットってこんな綺麗な音が出せるのかと視聴中はこんな小学生並みの感想みたいなことを思いながら聴いていた。

最終話の演奏シーン、素晴らしかった。流石にFULLは無理だった模様。
トランペットのソロってそれこそ一人だけで吹くのかと思ってたから低音との重奏は予想外で、良かった。 ちゃんとした演奏をOSTで聴きたいといった感じ。実際のコンクールもこんなに上手なのかな。是非見に行ってみたい。

第二にBGM。久しぶりにBGMが良い作品を見た気がする。凪あす以来だろうか。
特に心に残っているのが「1話の久美子が入部を決意するまでの一連」「5話の決別」「8話の山頂」のシーン。このへんのBGMは本当に神懸かってた。特に8話の山頂シーンはBGM・作画・演出・雰囲気・台詞が相まって凄いことになってた。

第三に声。まあ久美子の声優さん。ハマリ役にも程があるでしょうってくらいこれは凄かった。何の誇張も無しに、久美子の魅力の70%はその声にあると心底思う。時々出る"素"の感じが狂おしいほど好き。時々入る詩的なナレーションもすんなり入ってくる。抑揚のつけ方が上手だなと。

そしてこの声がまた"どこにでもいそうなリアルな女の子"感を醸し出している。こういう"自然さ"を感じることなんて滅多に無い。特に感嘆した箇所を3つ挙げるなら4話「ご静聴アリガトウゴザイマシタ」11話「いやだ!」12話「上手くなりたい」あたり。癖のある声の登場人物って結構居ますが、なんかそういうキャラって例外なく好きな気がするなあ。エイラ然りユリカ然り。



本当にとんでもない作品が来たものです。SHIROBAKOの次クールにこれだからなあ、何が起きるか分からない。白箱→響けと、何だか騒ぎすぎて疲れた感まである。来期もシャーロットあたりが来そうで嬉しいやら嬉しくないやら・・・。原作は三部作なので、2期3期とまではいかなくても、劇場2部作くらい期待したいなぁ。

「作画・物語・音楽」3拍子揃った、最初から最後まで「音楽」してる傑作。


これぞ鬱展開の真髄 -『武士は食わねど高楊枝』

小説家になろう


なろう備忘録第27弾。

『武士は食わねど高楊枝』

プロポーズを予定していた日、若者は化け物じみた力を持つ少年に殺された。そして転生を経て、この世界が生前好んでいたファンタジー的世界であることを知る。
――亜人という存在と彼らが持つ『魔法』という技術によって、ファンタジー化を遂げた地球の見聞録。


完結するまで待とうと長い間ブクマ放置していた作品。
さわりだけでもと読み始めてみたら連載分全て読み切ってしまった。


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はい、もうとにかく面白かったです。破天荒なストーリー展開と魅力的な設定群。八百万の神々、クトゥルフ神話フリーメイソンカバラ数秘術など色々なテーマをオリジナリティ溢れる解釈で物語に引用していたり、章ごとに変わる主人公など、アリュージョニスト好きとしてはもう堪らない要素ばかりでした。

文章力も高水準で、作中の雰囲気は割と高尚。ただ個人的には登場人物たちの会話文が妙にキザったらしくて鼻についたり、陳腐なジョークを頻繁に挟んでくるのにかなり辟易とさせられたりするところも。会話文だけが海外小説っぽいのが最初から最後までずっと違和感でした。まあ人それぞれなのかなとは思います。

この作品の特筆すべき点は、鬱展開にあると感じる。2章、特に3章などはかなり主人公に厳しい展開が続く。過度の虐めで精神が崩壊していく描写には目を見張るものがあるし、ヒロインを心の拠り所としてずぶずぶに依存していく主人公というのも珍しい。

そしてきちんと鬱展開の後に上手いことカタルシスを用意してある。またこの主人公は割と人たらしで、様々なヒロインと好き合ったりイチャついたり、離れ離れになったり裏切られたりします。なんというか、飴と鞭が上手いなあと感じたりしました。



(以下個人的な感想)

一番好きなヒロインはやはりローレル。離別シーンの描写が神懸かってました。
彼女を自分の防波堤にしていた主人公と、彼を想い、執着するあまり彼の中にある怪物に呑まれそうになってしまう彼女という構図が切ない。共依存状態のときの彼らの甘々なイチャつきっぷりとの落差になんともいえない感情を味わった。この作者さんの描くヒロイン、可愛すぎるんですよね。恥ずかしがってる姿が一番かわいいというのは紛うことなき真理。

トーリーとしては3章9話の『我が身を滅ぼせ、英雄よ』が圧巻だった。上記したローレルとの離別もここ。またファーガスとの決着だったりベルの真の顔だったりと、これまでの全てが集約された回だった。いやー、4章の完結が待たれますね。


 

【一覧】なろう読書録 - [ 発信所 ]

 

絶望が蔓延る世界で -『成人すると塩になる世界で生き残る話』

小説家になろう ノクターンノベルズ


なろう備忘録第26弾。
『成人すると塩になる世界で生き残る話』

ある夏の日、成人は肉体が塩になって死ぬ世界に一変した。
未成年者しか生きられない世界の社会機能は容易く麻痺し、町では不良共が欲望のままに暴れ回る。そんな中、一人の少年は盲目の少女と共に、異常な世界で静かなる追跡戦を開始した。


作中の雰囲気はパニック+ダーク。全編通して緊迫感があり、ページを捲るのが止まらない。登場人物の心理描写が卓越している。冗談抜きに面白かったです。

特にダブルヒロインの造形が最高に良かった。底なしに優しい初心な盲目少女と、闇を抱えた依存癖の強いポニテ少女。パニックな世界観なので『依存』というワードは結構作中で浮き彫りになっています。ただ、一方的な依存が殆どで共依存のような関係は無い。このあたりの依存の矢印方向もうまいこと組まれていた。

ノクタ枠ですがヒロイン達とのエロ描写は数回のみ。それもストーリーに必要不可欠なモノであり、作品の雰囲気を崩すことなく差し込まれているところに魅力を感じる。ただ、大人が全員塩になり子供しか存在しないという世界なので、勿論法律なんてあってないようなものであり、強姦描写は至る所にある。

正直精神的にかなりキツイ展開もあるが(NTR諸々)それらを踏まえて描かれるストーリーが見事だった。そして主人公の内面描写もまた凄い。葛藤、絶望、発狂、そして彼が最後に辿り着いた答え。

自殺すべきだとは思う。
だが、あと数年で塩になる無残な最期を迎えるのだ。それまでは死の恐怖に怯えるという罰で、罪を誤魔化していけば良い。そして隣席の少女と寄り掛かり合い、溶け合うように、騙し騙し己を支えて生きていく。


この最終話の独白が良かった。文句の付けどころのない〆でした。

【一覧】なろう読書録

 

個人的なろう作品10選

小説家になろう ノクターンノベルズ


「本棚の10冊で自分を表現する」みたいな感じで、好きな作品を選んでみました。
今現在の私の10冊はこんな感じです。数字リンクで個別記事に飛びます。



1.  『ラピスの心臓

2.  『幻想再帰のアリュージョニスト

3.  『ロスト=ストーリーは斯く綴れり

4.  『用務員さんは勇者じゃありませんので

5.  『Unnamed Memory

6.  『ウロボロス・レコード

7.  『インスタント・メサイア

8.  『死神を食べた少女

9.  『武士は食わねど高楊枝

10.『蜘蛛ですが、なにか?

 



改めて選ぶとなると結構迷いました。一応上にいくほど好きの度合いは強いです。


信頼こそが何よりも -『ロスト=ストーリーは斯く綴れり』

小説家になろう

なろう備忘録第25弾。

今回は『ロスト=ストーリーは斯く綴れり』について書いていきます。

魅力的なキャラクター達、隙が無いストーリー構成。シリアス一辺倒な作品かと思いきや、明るく喧しいキャラクターが緩和剤となっていたりと、丁度良いバランスを保っている作品でした。そして、確実に今まで読んできた中で五指に入るレベルの面白さでありました。


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以下、ネタバレ満載の感想垂れ流しです。
kindleメモに残してある文章を参考にしつつ色々雑記していきます。

 

この大学にいる誰しもが魔物を抱いている。自分以外には決して懐かない魔物を。
---第2章 研究者の憂鬱 (2) より

まず惹かれたのがこの『魔術大学』という舞台設定でした。とある論文の執筆が目的であるこの主人公には、個人的に似た境遇だったこともありかなり感情移入できました。常に冷静沈着な性格もとても好ましかった。

そしてこの作品のウェンブリー編の一番の魅力は、この魔物を抱いている底の見えないキャラクター達だと私は声を大にして主張したい。こういう子たちが素直に露わにする感情が本当に好きすぎるんですよね。特にクレールが良かった。針を纏っていた彼女が見せる弱い部分に、彼女の本来の人となりを見て、一瞬で彼女に感情移入している私がいた。そして彼女を助けるロス君の行動原理がまた最高で。

「1階のランプに毎日火が灯ってるんだ。俺が帰った時間に」
---第4章 偉大なる詐術者(5) より

これまで冷徹な印象だったロス君がこんな温かい言葉を発することに軽く感動を覚え、そして益々この主人公が好きになった。クレール論文騒動の結末も爽快なものであったし、そこで彼女が見せた本音と正直な感情の発露には、身も心も浄化される思いでした。このあたりでこの作品に没頭してしまったように思う。

そしてウェンブリー編のラストシーン。

生き延びる為に必死になって耐えてきた少年は、その日。

デ・ラ・ペーニャで一番の料理人と、献身的で誠実な魅力いっぱいのウエイトレスが、貴方のお帰りをお待ちしております」

生まれて初めて―――――故郷を得た。
---第6章 少年は斯く綴れり (25) より

本ッ当に最高の締めでした。読み終えたあと余りの最高さに暫く茫然自失の状態だった。献身的で誠実な~のくだりがロス君のクレール評と全く同じなのもグッと来る。このラストシーンが素晴らしすぎた影響で、マラカナン編の序盤はあまり物語に没頭できなかった。大学編の周りのキャラクターに慣れすぎて、マルテや四方教会の面々達にあまり感情移入できなかった。しかし..。

つまりは、『一度慣れ親しんだ相手との、再結成』。

そんなこんなで、アウロスは三度、粘着質な情報網を得た。
---第7章 革命児と魔術士の王 (20) より

ラディの再登場で見事に再燃しました。もうこの再会シーンは最高にアガった。正直、彼女が作中で一番好きなキャラクターと言っても差し支えない。ルインの正妻感も好きだけど、なんだかんだ最後までロス君と付かず離れずの関係性だったラディが本当に好きだった。9章ラストシーンで描かれたロス君、ルイン、ラディの三角関係(?)の清算も良かったです。色恋沙汰に無頓着だったロス君がまさかここまではっきりとけじめをつけるとは思っていなかったけど、彼らしい誠実な形での決着はストンと腑に落ちるものでした。 

その後のエピローグで、結局いつものようにじゃれ合ってしまう二人には、思わず苦笑が漏れそうになりながらも、それでもやはり二人にはいつまでもそのような関係でいてほしいなと思ってしまったり。ロス君とルインは間違いなくお似合いの2人だと思うけど、元気一杯なラディもまたロス君に必要な人物だと思うんですよね。彼がラディを『相棒』と称した時は本当に胸が熱くなったものです。

さて、序盤はあまり良い印象を抱かなかった四方教会の面々ですが、マラカナン編も終盤に近づいてきたあたりから加速度的に好きになっていきました。この段々とキャラクターの生い立ちや人となりが明らかになっていく手法がこの作品、本当に卓越しています。過去回想での四方教会結成時のデウスの台詞は胸に来ました。

 「いいかお前等、自覚を持っておけよ。四方教会の『四』はお前等四人の事だ。お前等全員が――――」
---第9章 アウロス=エルガーデン【下】(69)より

このくだりは本当に熱かった。デウスの思いが、四方教会4人の思いが爆発したシーンで最高に燃えた。 マルテやフレアも終盤には良いキャラクターに成長している。マルテがフレアを誘うシーンはロス君と同じく、ほほえましい気持ちになってしまった。


以上です。掛け値なしに最高の作品でした。本当に良かった。

 【一覧】なろう読書録

 

 

最近読んだなろう小説を紹介する①

まとめて紹介 小説家になろう

こんばんは。
お久しぶりです。

こちらの記事が文字数制限に引っかかりそうになってきたので、新しい記事シリーズとして『最近読んだなろう小説を紹介する』を不定期に書いていこうと思います。

出来るだけマイナー気味の作品から、1記事10作品くらいを目安に書いていく予定です。それではどうぞ~!

※タイトルクリックで本家に飛びます。


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◆ Messenger  (完結)


スラブ風味の雰囲気が素敵な異世界トリップ長編。
男装の女主人公の人生録って感じです。ゆっくりと、それでいて素敵な文章で紡がれていくストーリーが良かったです。読後の幸福感がすごかった。享楽的なテンプレ作品に飽いた人や、普段から一般小説を読む人に薦めたい一作。


◆ 宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する


こちらは一転して享楽的な異世界転生モノ。
普通に面白いの一言。かなりアクの強いタイトルですが、主人公は普通に好青年でした。まともな主人公、可愛いヒロイン、あと何か一つ独特の要素があればもう自分的には言うこと無しです。これは文明構築モノに分類されるのかなあ。


◆ 召喚ハゲ無双! ~剣と魔法と筋肉美~  (完結)


ハゲ散らかった頭皮を持つ中年サラリーマンの冒険譚。
中身はまともな王道ストーリーです。ダンディなオジ様主人公(ハゲ)が個人的にドツボでした。タイトルにビビッと来た人は是非読んでみてほしい。30万字程の中編です。


◆ メタンダイバー  (完結)


木星在住の40歳の男は、記憶喪失の少女の世話を頼まれる。
良質で硬質なSF作品でした。結構エンターテイメントに特化してるので普段SF読まない人も是非挑戦してみてほしいです。SFは面白いんだ...。もっと増えて…。


◆ 「あなたの人生、ロードしますか?」「はい/いいえ」


ごってごての俺TUEE+ハーレム作品です。普段こういう作品はあまり読まないんですが、ハーレムの維持に四苦八苦しているという設定に惹かれました。『セブンス』『迷宮最深部』とかを思い出したりした。ノクタの番外編がエロいです。


◆ 六人の赤ずきん  (完結)


ジャンルは謎解き+パニックホラー。15万字程。
ダークメルヘンな雰囲気がとても良かった。濃密な物語も流石といった感じでした。作者さんであるicecrepe氏は個人的に激推しなので是非他作品も読んでみてほしいです。


◆ 俺より強いあの娘を殴りに行く  (完結)


熱いひと夏を描く、格ゲー青春ストーリー。10万文字ちょい。
格ゲーという要素に目が行きがちだが、個人的には甘酸っぱい恋愛模様に惹かれた。書籍化もされてるので、物語の面白さは保証されているかと。


◆ あたしを見てよ、と魔女は叫んだ


精巧な筆致で描かれる重厚ファンタジー。何故これほどまでの作品がブクマ2桁なのか…。やはりテンプレ要素が無いとなろうではウケないんでしょうかね。連載を追っている数少ない作品の1つです。


◆ 俺のペットは聖女さま  (完結)


※健全な意味でのペットです。こういう純愛モノの異世界転生作品って何気に少ない気がする。一人のメインヒロインと目一杯イチャラブする作品は増えていいと思います。内容は比較的ライトな王道ストーリーです。書籍化もされてるとか。


◆ 我が名はエルフライダー


エルフに乗って戦う主人公のお話。確実に人を選びます。作風としては『インスタント・メサイア』に近い感じで、狂気と能力でエルフ少女達の自我を解体していき洗脳していく過程に危険な魅力を感じてしまう。官能的。



以上です。
皆さんもオススメ作品などあれば是非コメントにお願いします~。