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『氷菓』感想


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優しさの理由

優しさの理由

氷菓

原作新刊が出るということで、久々に(2年ぶり?)視聴した。

凄すぎて驚いた。
これ以上に綺麗な最終回を以来見たことが無い。
これは『響け!』と並ぶ青春群像劇の金字塔足りうる作品だ。京アニはこういう話をドンドン作るべき。よく分からん萌えアニメ路線に走るのは1人のファンとして残念な限りだ。


まず特筆すべきは作画。4・5年前に作られたのが信じられない程美麗。背景だけ、人物だけではなく全体的に自然に綺麗というのは凄い。京アニ恐るべし。

そして表情描写。この小説媒体と映像媒体の差異を生み出す点を恐ろしく魅力的に描いている。特に20話~の後半のえるの表情描写は心にくるものがあった。心の機微を表情に描くのが上手い。

 

そしてストーリー。原作既読であっても十二分に楽しめた。
原作自体が面白いのはもちろんだが、構成・テンポのとりかたが上手なのだろう。
基本的に超丁寧な原作準拠なのだが、所々で遊び心を出してくるのが京アニらしいところで。「正体見たり」で別館を調べる際、えるが奉太郎を真似て腕を組んでいるシーンとかもうほんと好き。この飾らない可愛さが良い。

 

原作は結構ビターエンドな話も多いのだが上手く緩和されていた。
「正体見たり」「チョコレート事件」などでは、原作には無い救いが用意されている。個人的にはこっちのが好きかな。アニメ見て改めて思ったのだが、文化祭以降の話が殆ど奉太郎とえるのラブコメになってるということだ。新刊で描かれる2人の雰囲気もそういう感じに見えてくる。なんか初々しくて良い。

原作ではそういう雰囲気あんまりなかったんだけどやはり映像化されると印象変わるものだなあと。お互い意識しあう感じとか、終始頬緩みっぱなしだった・・・。最高。京アニの描くカップリングの純粋な感じがとても好き。


ミステリ要素は触媒に過ぎず、この作品の真の魅力は4人の根底にある『友情』あるいは仲間意識だと感じた。える嬢や里志は勿論、奉太郎や摩耶華の古典部員に対する気遣いが散見されるのが良いんだよなあと。暖かい。それも自然な感じでふっと入ってくるのだ。そのへんの按配もまた当意即妙といったところ。

 

以上。紛うことなき確かな名作であった。2期熱望。