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海外のベストレビューを翻訳する -『GJ部』

各アニメの海外で最も支持されているレビューをを翻訳する。
原文はコチラ。(MyAnimeListより)


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Mar 28, 2013
Overall Rating: 8
143 people found this review helpful


ここでは出来る限り率直な意見を述べさせていただく。

2013冬シーズンは面白い原案を持つ作品がたくさんあったにも関わらず、しかし最終的には全体的に落ち着いてしまった印象を受ける。殆どの作品は平均的で、僅かに優れている作品もあったが、それらが長い間記憶に残らないことは間違いないだろう。この話は些か無神経で偏見的であると思われるかもしれない(もしそう感じたのなら申し訳ない)そんな中私が唯一望んだことはシーズン中に失速することなく物語を終える作品が「たった一つでも」存在してくれたら、というものだった。どのエピソードも楽しく面白い、隠された宝石のような作品を望んだのだ。

幸いなことに、そんな作品が1つ存在した。それはテーマも目的も全く持たないような、学校のクラブを描いた作品であった。この作品は…さてどう説明したものか。

主人公 Kyolo は『Good-Job Club』と呼ばれるクラブに所属している。他のGJ部員は、子供っぽく短気な部長の Mao、上品で天使のような Megumi、世間知らずな天才 Shion、猫のように気ままな Kirara の4人の女性から構成されている。そこでの活動内容は、様々な議論を交わす、お菓子を食べる、熱のレーザーに襲われる、お互いを噛み合う、淫らに髪を梳かす、妹達を連れ込む、と多岐にわたる。

GJ部 感想


おそらくあなたはこの作品を取るに足らない平凡な日常モノだと考えていることだろう。挙句の果てには、この作品は一見ハーレムのようにも見えてしまう。確かに男女比率が1:4であるし、そのように見えることは間違いなく、得てしてこのような作品は上手くいかないことが多い。しかしどうだろうか。私はこの作品を他のなにより楽しんでしまったのだ。熱心な日常アニメファンでないにも関わらず。では何故、私はこの作品をここまで面白いと感じたのだろうか。

それは『GJ部』が他のアニメには出来ないようなことを成し遂げたからである。それは「ありのままの自分で過ごす」ことだ。部室の中での彼らは「自由」そのものであり「自重」という言葉を知らない。

実際そんな彼らを描くことはそこまで難しいことではない。『GJ部』がよくある設定の日常アニメだということは認めるところであるし、またそれを描くために何か特別なことをしている訳でもない。ただの日常の一部を切り取って、アニメーション形式に落とし込んでいるだけなのだが、このために全体の雰囲気は非常に自然なものになっており、永遠にこの作品に浸っていられるように思えてしまう。軽妙なジョークは次々と消費されていき、誰が誰と会話している訳でもないような、この妙に現実的で非生産的な雰囲気が上手く描写されている。

GJ部 感想


しかし、あなた達がまず第一に問いたいのは「何故そんな作品を見るのか」ということだろう。その問いにお答えするならば、それは一重に、この作品に揺蕩う雰囲気が私達を本当に本当に癒してくれるからである。物語のペースは時々遅く感じるが、しかし全編通してゆるい雰囲気なので特に気になることはなく、むしろそのスローペースこそがこの作品の魅力となっている。

アニメーションは驚くほどではないが(おそらく殆どの日常モノがそうであるように、低予算で制作されたからだと思われる)しかしあなたの期待以上の映像を見せてくれると思う。キャラクターの輪郭が普通より厚く描かれているのが独特で可愛らしく、キャラクターの動きは少なかったが、しかし全編通して作画は非常に上質であり、崩れることは一度も無かった。特にEDのアニメーションは力が入っていて良かった。

(音楽については蛇足が多かったので省略)

さて、この作品にはもう1つの大きな魅力がある。それはもちろん個性豊かなキャラクター達である。彼女らなくして『GJ部』は成り立たない。殆どの登場人物は女性で構成されていて(男性は Kyolo の1人だけである)彼女らは2つのグループに分けることができる。GJ部員と彼女らの妹3人組だ。ここではメインキャラクターであるGJ部員を紹介しようと思う。

GJ部 感想


まずはGJ部部長 Mao Amatsuka について。彼女はお嬢様であるにも関わらずいつも幼稚な行動をしていて、怒ったときには Kyolo に噛み付く習性を持つ。しかし彼女の妹である Megumi Amatsuka は彼女と真逆の性格をしていて、まるで天使のように礼儀正しく洗練された行動をとるが、体重の話になると我を忘れてしまう。Shion Sumeragi はいかなる時も冷静であるが、一般常識に欠けているという意外な面も持っている。そして私の一番のお気に入りである Kirara はユニークそのものといった性格を持ち、人間というよりかは猫に近い行動をとる。勿論、我らが主人公である Kyolo を忘れることはできない。彼は親切で落ち着いた人物なのだが、好奇心旺盛なのかどうしても皆の行動が気になるようでに常に質問している。そんな彼の疑問が物語の起点になることが多い。

ああ、緑の髪を持つ少女もいるのだが、ここでは一旦置いておこう。

まず第一に全てのメンバーは単体でも十分な魅力を持っている。彼女らは皆個性豊かで、良いところがあれば悪いところもある。それらは彼女らの人物像を具体化していき、それぞれのキャラクターはみるみるうちに鮮明になっていく。基本的に彼女らは部室で駄弁っていて、各個人はそれが会話であろうと行動であろうと自らの特徴に合わせてそれらを実行する。私達は彼女らの人柄を言葉で説明してもらうのではなく、様々な出来事に反応する彼女らの行動を見て、自然にそれを理解していくことになる。

彼女らの趣味嗜好が全く異なっているところもまた面白い。ある1つの出来事に対しても本当に様々な反応を見せてくれるので、全く飽きることがない。そして彼女らは殆どの時間を Kyolo をからかうことに使い、各々代わりばんこにちょっかいをかけ、その様子は私達を楽しませる。『GJ部』ではドラマやストーリーは無いに等しいが、この取るに足らない些細な日常が心地良いのだ。

かつての私は日常作品についての知識が浅く、無意識に食わず嫌いをしていたが、蓋を開けてみればそれは面白くて落ち着ける素敵なアニメだった。『GJ部』をただの萌え系の日常アニメと捉えている人は、もう1度考え直すべきである。私にとっては眩く光り輝く宝石のような作品であったのだ。

願わくば『GJ部』のような学校生活を描いた作品が増えますように。

GJ部 感想




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