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第一級のエンターテイメント -『明治蒸気幻想パンク・ノスタルヂア』

なろう備忘録第31弾。

あらすじ:
【業務内容】護衛、あるいは殺人。【週休】不定期、あるいは無し。【月額報酬】平均十三円。 ――明治中期、国内最悪の治安を誇る島に住まう主人公・井澄は、異能の術師や傍流の剣士がはばを利かせる中で争いを仕事場に生きている。そして暇さえあれば職場の上司たる少女・八千草に求愛し、すげなく流され、けれどめげずに生きている。……偽史の明治を舞台とした、色恋と刃傷と狂気の沙汰。


ファンタジーやらスチームパンクやら色々混ざった架空の明治を舞台にした群像劇、或いは骨太ヒューマンドラマ。回り回って加速し続ける物語に目を離せない。

もうとにかく、滅茶苦茶面白かった!!

久々に『ストーリー』に魅せられる物語に出会った気がする。ちゃんと終わりを見据えて上手いこと話が組み立てられていると感じた。約80万文字に一切の無駄がありません。わりと群像劇っぽい感じなので、思わぬところからストーリーが繋がってくるのがまた面白い。物語の大体は血生臭い派閥争いなのですが、時たま入る日常話が良い感じに緩和剤になっていたと思う。

全体の雰囲気はアニメ『サムライチャンプルー』に近いかなーなんて思ったり。

そしてまあ、登場人物が本当に皆良いキャラをしている。

ヒロインは煙草を燻らすクールなボクっ子ロリ上司。主人公はそんな彼女に首ったけ。物語の中で彼らの関係は二転三転していく。彼らの過去が明らかになるところからが本番だろうか。この物語の1つの軸は彼らの純愛ストーリーと言って過言では無い。そして、主人公を意識し始める辺りのヒロインの可愛さはとにかく途轍もないです。何度「あ~~~~~」と悶え爆発したか分からない。

また主人公の仲間に三船靖周・三船小雪路という兄妹がいるのですが、彼らも素晴らしいキャラクターでした。近すぎる故に、互いを想い合う故にすれ違ってしまったり、兄弟愛を越える愛を抱いてしまったりと色々不安定で危うい感じが個人的にGOODでした。なんというか心理描写がほんとに克明で、彼らにはかなり感情移入してしまった。互いを想い合い支え合う関係性が本当に素敵だった。そしてお兄ちゃんっ子全開な小雪路は最高に可愛い。



可愛い可愛いと話が逸れがちになりますが(性分なんです、ごめんなさい)、この作品の核は登場人物の「台詞」あるいは「言葉」にあると私は思いました。時折ハッとさせられる台詞があったり、胸に染みるような言葉があったりする。

また文章はとても巧い。作品の雰囲気に合わせたエキゾチックな文体や、言葉遊びを交えたルビ振りなど、読んでいて楽しかった。正直一般小説レベル、いやそれ以上のクオリティを誇っていると思う程でした。

こういう傑作がたまに埋もれているからなろうを読むのは止められない。

 明治蒸気幻想パンク・ノスタルヂア

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